ラグビーワールドカップ2019 アルゼンチンvs.アメリカ PART.10【総集編】<完>
2019.10.09 Web.
【ラグビーワールドカップ2019 アルゼンチンvs.アメリカ PART.10 総集編<完>】
10月9日に埼玉県熊谷市の熊谷ラグビー場で開催された、ラグビーワールドカップ2019日本大会「アルゼンチンvs.アメリカ」の臨時シャトルバスについてシリーズで掲載してきました。
PART.10は、総集編です。
今回で熊谷ラグビー場でのラグビーワールドカップ2019に関する記事は、完結となります。
ラグビーワールドカップ2019 日本大会は、「4年に一度じゃない。一生に一度だ。 -ONCE IN A LIFETIME-」の公式キャッチコピーのもと、2019(令和元)年9月20日~11月2日まで開催されています。
本戦出場となった世界20ヶ国の45試合が、北は北海道から南は熊本県まで日本全国12都市で行われています。
開幕戦は東京都調布市の東京スタジアム、決勝戦は横浜市の横浜国際総合競技場です。
今回記事にしている“熊谷ラグビー場”では、以下の3試合が行われました。
9月24日 ロシア 9-34 サモア
10月9日 アルゼンチン 47-17 アメリカ合衆国
さて、話がやや脱線したので元に戻します。
熊谷ラグビー場の収容人数は、24,000人です。
その24,000人をどのように、熊谷ラグビー場に輸送するのかが大会前は懸念事項とする意見もあったようです。
ラグビー場は鉄道駅からやや離れている場所に位置していることが多く、今回のワールドカップでも地方の会場を中心に熊谷と同様の状況があり、いずれも鉄道駅などから臨時シャトルバスを運行する措置をとっていました。
その中で、バスの輸送力を最大限に活用して輸送を行ったのが熊谷ラグビー場だったと思います。
PART.1にも記載した通りなのですが、片道約3㎞の区間の殆どを一般車通行禁止とし、約100台のバスを使用してピストン輸送を行ったのはとても印象的です。
駅前ロータリーが狭く、一般路線バスとの棲み分けが出来ないのではないかという開催前の指摘に対しては、熊谷駅から徒歩約10分の市役所付近の大通りを通行止めとし、バスをずらっと道に並べてシャトルバス乗り場を仕立てて解決していました。
熊谷スポーツ文化公園では、ラグビーの他にも年に数回、プロ野球やサッカーJリーグなどの大会も開催されていますが、近隣道路を一般車通行禁止にしての大規模輸送ではありません。(野球・サッカーのいずれの開催の際も、輸送に入るのは定期便の路線バスを運行する国際十王交通とグループ会社の川越観光自動車のみです。)
国際十王交通、川越観光自動車以外の県内各社が、熊谷スポーツ文化公園(熊谷ラグビー場)での臨時貸切輸送に入るのは相当久しぶりで、直近で思い出せる範囲では、15年前の2004年秋に開催された「第59回 国民体育大会 彩の国まごころ国体」でしょうか。
この2004年の国体では、今回のラグビー輸送同様に、東武バス、朝日バス、国際興業など県内各地からバスが熊谷に集まり、専用マスクを付けて熊谷駅~熊谷スポーツ文化公園(熊谷ラグビー場)を走ったようです。
私は今回の特集記事で、熊谷ファンゾーン~ラグビー場の輸送についてしか扱っていませんが、その他にもPART.1に記載した通り、JR籠原駅からのシャトルバスや、近隣の主要3駅からの予約制バス、近隣の大きな施設の駐車場からのパーク&ライドなど他にも多数のバスを使用して運行が行われていました。
今回シリーズで紹介した路線バス車両の他にも、観光バス車両を持つ埼玉県内を始め、都内や千葉県など各地の事業者が輸送に入り、全体では200台規模での輸送が合わせて4日間行われました。
今後、熊谷ラグビー場でまたこれだけ大規模の輸送がいつあるかはわかりませんが、熊谷は24,000人の輸送も行うことが出来るということが証明されたので、何か大きな大会が来ても今回の輸送体系を踏襲することが出来るのならば不可能ではないですね。
ただ、ドライバー不足がさけばれている昨今、200台規模の車両と乗務員を確保するのは相当苦慮したかと思います。
また、普段走っているエリアではない場所を長時間走るということも大変だったかと思います。
埼玉県と熊谷市、そして各バス事業者が一つになってタックを組んだからこそ行うことが出来た、今回の熊谷ラグビー場でのラグビーワールドカップ輸送だったかと思います。
関係各所の苦労は計り知れません。お疲れ様でした。